The Future Circle

Akinoriderのブログ。主に音楽・映画・本など、サブカルチャー/カルチャーについての感想。

フィッシュマンズ #rsr14

 

RSR2014でのベストアクトは山下達郎だと思うが、個人的に一番感動したのはフィッシュマンズだった。

 

フィッシュマンズはリアルタイムでは知らなかったので、初めて生でライブを観たのは2年前のライジングサン、レインボーシャングリラ。初めて見れて嬉しかったけれど、何度も何度も聴いたCDの中の佐藤くんの声で膨らみ続けた僕のフィッシュマンズへの憧憬を満たすことは出来なかった、正直なところ。

欣ちゃんがフィッシュマンズを続けていこうとする気持ちってどういう気持なんだろう。その途方も無い気持ちにファンたちは思いを馳せるけれども、途方のなさに途方に暮れてしまう。そして思い思いに巡らせる。古くからのファンは尚更そうだろうね。

 それでも今回多忙のために迷いに迷ったライジングサンへの参加を決めたのはやっぱり大トリにフィッシュマンズの名前が上がったからで、しかもゲストボーカルにUAの名前があったからだった。

フィッシュマンズのゲストボーカルには、原田郁子を筆頭に七尾旅人永積タカシなど沢山の僕の好きなアーティストたちが参加しているけれど、その中でも一番気になるのがUAだった。RSR2005のFISHMANS UAYouTubeを何度も観ていつか生で聴いてみたい、そう思っていた。


Fishmans + UA - Walking In The Rhythm - YouTube

 

 

 

 

半分の月が真上にあるサンステージで、ナイトクルージング、Wether Reportを聴きながら、原田郁子の歌声は茂木欣一が続けようとするフィッシュマンズ、それは佐藤伸治がいない「新しい」フィッシュマンズにフィットしてるんだと思った。この二人はこれからも僕らに新しい、未来のフィッシュマンズを見せてくれるのだろう。

 

そんな原田郁子と対照的に見えたのがUAの姿だった。とても力強く伸びのある歌唱。そして、生命力溢れるダンス。佐藤伸治の歌声とは全く似ていないのに、生命を吹き込まれたようなフィッシュマンズの楽曲の中に僕はなぜか佐藤伸治を感じてしまった。

Walking In The Rhythmでノハラソングの一節を歌い、1999年と時空が繋がるような感覚があった。

UAが力強く歌い、艶かしく踊ることでフィッシュマンズの曲に生が与えられていけばいくほどに、彼岸の存在を、過去を思い起こさせるその矛盾についてずっと考えていた。

 

そう、まさに彼女はシャーマンだったのだろう。

 

UAが頼りない天使を歌い出した。何度も観た映像よりも力強く伸びやかに夜明けの空に響く彼女の声に、確かに来ていただろう佐藤伸治という天使を思って涙がぼろぼろと、こぼれた。


Fishmans + UA - 頼りない天使 - YouTube

 

 

MCで欣ちゃんが

「1999年最初のライジングサンがあった年に、サトちゃんがあんなことになってしまって出られなくなってしまったけど、15年後にこうしてサンステージに立っています」というようなことを言って…また号泣…

本当に欣ちゃんが続けてくれていたからだよね。本当に…感謝だよ。

 

 

そして、郁子とUAは対照的だと思ったけど決して相反するものではなく、お互い支えあって抱き合ったりして歌う姿は本当に良かった。その二人の姿は勝井さんのこのTweetのとおりだと思う。 

 

すっかり明るくなった空のもと、UA

「佐藤!佐藤!佐藤!」

と叫ぶ。その声は柔らかい朝日の中に溶けていって、そして消えていった。