The Future Circle

Akinoriderのブログ。主に音楽・映画・本など、サブカルチャー/カルチャーについての感想。

ナタリーライブレポート風「threshold vs mellow out」

4月18日金曜日の肌寒い夜、bar LOCOTONTEにおいてthreshold vs mellow outというDJイベントが開催された。この企画は、先日のmellow out再始動パーティーにおいて突如発表されたもので、その日以来、Twitter上で両陣営は激しいdisりあいを繰り広げ、決戦当日へ向けて緊張感は最高潮に達しており、まさに決戦の火ぶたが切って落とされたイベント開始であった。なお、Twitter上でのdisりあいはハッシュタグ #threshold vs mellow out で見ることが出来る。

 
緊張感高まる中、トップバッターのDJはthreshold陣営のkomai。彼はTwitter上でのdisりあいでも主に画像による激しい精神攻撃をmellow out陣営に行っており、プレイも硬派なテクノを中心とするアグレッシブなセットで、mellow out主宰ohtzucaも「コマイさんがマジメにテクノかけてる…」とつぶやき、このイベントの重大さが明らかとなったプレイであった。
また、イベント当日はbar LOCOTONTEマスターの友人の誕生日パーティーが行われており、誕生日の方に対してStevie Wonder「Happy Birthday」をかけるなど細かい気配りに溢れた柔剛併せ持つプレイでmellow out陣営を圧倒した。
 
対するmellow out陣営の先鋒はAkinorider。前半はM.I.Aや、最近ハマっているというリスボンのレーベルprincipeの楽曲を中心に普段と異なるBass中心のセット。中盤の落ち着いた雰囲気の中Sam Smith「Money On My Mind」を境に徐々にハウスへと移行、最後はYUKI「JOY」、松たか子「明日、春が来たら」のPandaBoY Remixで締め、誕生日パーティー出席者のOLを中心に盛り上げ、反撃の狼煙をあげた。
終了後の本人への取材では「原田知世ロマンス」をどっかでかけたかった。それだけが心残り」というコメントを残していた。
DJ Akinoriderのセットリストは以下のとおり。
1. Haba Na Haba (Pleasuremaker Remix) / Nappy G
2. Come Walk With Me / M.I.A.
3. Drift Furioso / Dj Marfox
4. (We Stay) Up All Night (feat. Blaya & Roses Gabor) / Buraka Som Sistema
5. Tribal / Mala
6. Archangel (Original Mix) / Burial
7. Money On My Mind / Sam Smith
8. Tecnho / Dj Jesse
9. Decaléé (Original Mix) / DJ Perigoso
10. Yung Rapunxel / Azealia Banks
11. 82-83 (Extended Mix) / Sebastian Ingrosso, Angello
12. Release Yourself (Music Takes You Higher) [My Digital Enemy Remix] / Lissat & Voltaxx
13. Gimme Gimme (Disco Shimmy) / Frankie Knuckles
14. JOY -Eric Cooper Club Mix- / YUKI
15. If spring will come tomorrow(PandaBoY Remix) / PandaBoY

 

 
3番手のDJはchaco。懐かしい曲の絨毯爆撃により、年齢層がやや高めの観客を焼け野原にする圧巻なプレイを披露し、見守るkomaiがご満悦の笑顔を浮かべるといったワンシーンもあった。また、このイベントではBBQも行われる事が告知されており、ジンギスカンやホルモン、焼きそばにホッケ、ホッキなどが用意され、肉を焼くときだけは両陣営のDJともにしばし休戦状態となり、観客に肉を振舞っていた。
 
4番手はDJ WAN。Hotbahtonの始祖として知られる彼女は、本日も「SUSUKINO KAMOKAMO RIVER SIDE BASS MUSIC, HOTBAHTON!!」の口上とともに、マイクパフォーマンスやiPhoneを駆使したエフェクトで観客を熱く盛り上げた。
プレイの中盤で突如、第三者にも関わらず何故か散々mellow out陣営をdisっていたはずのヨッシー(ex.鉞)がブースに登場、DJ WANが「我々は夫婦である。指輪はまだない。何故ならスピーカーを買ったから。」と突然の家庭の経済事情を告白し、観客が困惑するなか、夫婦の息がピッタリとあったコンビプレイでmellow out陣営を大いに後押しした。
 
続いての5番手はGod Mommy。開始早々、乱入した観客にマイクを奪われ「我々は林下一家である。」という謎の宣言に激しいブーイングが飛ぶというアクシデントにも負けず、ロックからエレクトロまで幅広い選曲で観客を楽しませた。
途中、ほぼ全裸のkomaiがフロアを横断するも絶妙に局部を露出しないという奇跡的な出来事が起こり、警察当局の介入を招くという最悪の事態は回避された。最後はalaからriddim saunterという締めで、殺伐とした会場の雰囲気は音楽の力で一気にピースフルな空気に変わり始めた。
 
ここでmellow out主宰ohtzcaが登場。欧陽菲菲「ラブ・イズ・オーヴァー」から始まるという異色の展開に、この泥沼の戦争状態から抜け出し、和平への道筋を模索する方向にと舵を切り始めた予感が感じられる。中盤のDaft Punk「Get Lucky」Todd Terje「Strandbar」で会場の盛り上がりは最高潮に達し、敵味方問わず手を挙げて踊る感動的なシーンが訪れた。
また、酩酊状態の美人OLと手を握り合い、鼻の下を伸ばしながら踊る男性陣の姿は「愛は地球を救う」ことの象徴的なシーンとして特筆すべき出来事であった。
 
そしていよいよ謎のDJ Xがブースに登場。マスクを被った状態で登場し、観客が騒然とする中、ohtzcaは何故かミッシェル・ガン・エレファント「世界の終わり」をかけ「世界の終わりにパンを焼きながら待つ、オーツカベーカリー!」と謎の言葉を残しブースを去っていった。
DJ Xはディープ・ハウス中心の落ち着いた選曲で、両陣営の心を癒やし落ち着け、静かな空気がフロアに立ち込め始めつつあった。ところが「みんな仲良く」と告げ、DJ Xがフロアに投下した曲は原子爆弾級並みの衝撃を全員に与えた。
「けんかをやめて
 二人を止めて
 私のために
 争わないで
 もう
 これ以上」
竹内まりや「けんかをやめて」この曲により、この長きに渡ったthresholdとmellow outの抗争はDJ Xをめぐる争いであったという衝撃的な事実が明らかとなった。
 
そして筆者は時間の都合上ここで撤退することになってしまったが、ラストのDJであるcrouchiがiTunesで「We Are The World」を購入するところを目撃したので、おそらく両者共に和平交渉のテーブルにつく展開が予想された。今後の展開を注視したい。
 
 
※お詫び
この記事には写真が一切ありませんが、戦場の写真はあまりに凄惨なものが多く、閲覧者に精神的ショックを与える可能性が高いと判断したため掲載を見送りました。